プログラミングの考え方とは│ロジックやルゴリズムについて詳しく解説【初心者向け】
更新日:2025.5.21
公開日:2023.3.27

プログラミングを始めるにあたって、まずは基本的な考え方を理解しておくことが大切です。その中でも処理の手順を整理するアルゴリズムやプログラム作成の流れも把握しておかなければいけません。また、問題を順序だてて解決する力である思考法も学習を進めるうえで役立ちます。本記事では、これからプログラミングを学ぶ初心者に向けて、これらの考え方を解説していきます。
この記事の目次
1.そもそもプログラミングとは?言語についても知ろう!
プログラミングという言葉はよく知られていますが、実際にはどのようなことをするのか、よくわからないという人も少なくありません。
本段落では、プログラミングの基本的な意味やどのような場面で使われるのか、またプログラミング言語についても解説します。
1-1.プログラミングとは
プログラミングとは、コンピューターに何をどのように実行させるかを指示する作業のことです。これらの手順をまとめたものを「プログラム」と呼びます。
どれだけ高性能なコンピューターでも、プログラムの通りにしか動きません。臨機応変に処理が進んでいるように見えても、そこに書かれている手順に沿って動作しています。言い換えると、手順に含まれないことは実行できないため、必要な指示を正確に、順番に伝えることが大切になります。
指示が間違っている場合は、エラーが発生して処理は停止します。だからこそ、プログラミングでは論理的に考えて、ミスのないように進めることが重要なのです。
1-2.プログラミング言語とは
プログラミング言語とは、コンピューターに出す指示を記述する専用の言語です。JavaやPython、Swiftなどさまざまな種類があり、基本的には英語がベースとなっています。ただし、それらを使って指示を出されても、コンピューターはすぐ実行できるわけではありません。なぜなら、コンピューターが理解できるのは機械語と呼ばれる特殊な言語だけだからです。機械語は0と1で構成されており、一般の人が見ても、意味のない数字の羅列に見えます。よって、機械語で指示を出すことは不可能で、その代わりにプログラミング言語が使われています。プログラミング言語はコンパイラというプログラムを別の言語に翻訳するソフトウェアによって機械語に翻訳されて、コンピューターが理解できる形になります
2.基本的なプログラミングの考え方・ロジック
コンピューターは、入力・演算・制御・記憶・出力の5種類の装置で構成されており、プログラミングではこれらに命令を出して動作させます。命令とは、入力装置に対する「入力せよ」、演算装置に対する「計算せよ」のように、それぞれの装置に対して指示を出すことです。5つの装置には、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)やメモリといったコンピューターの中心的な部品も含まれます。プログラムが正しく作られていないと、それぞれの装置もうまく働かないため、命令を順序立てて正確に記述することがとても大切です。
コンピューターといえばパソコンを思い浮かべがちですが、テレビやエアコンなどの、身の周りの多くの機器にも使われています。つまり、プログラミングによって、私たちの暮らしはより便利で快適になっているのです。
2-1.論理的思考(ロジカルシンキング)とは?
論理的思考(ロジカルシンキング)とは、物事を順序立てて、筋道を立てながら考える力のことを指します。プログラミングを学ぶうえで、とても大切な力のひとつです。複雑に見える問題でも細かく分解し、一つひとつ整理していくことで、なぜそうなるのか、どのようにすれば解決できるのかを導き出すのが論理的思考です。
プログラミングでは、コンピューターに対して正確で具体的な指示を与える必要があります。数字の合計を出すプログラムを作る場合、どの数字をどのような順番で足していくかを考えてコンピューターに正しく伝えなければいけません。単に数字を足すという指示だけではコンピューター―は動かないので、細かい手順を考えて指示を出す必要があります。このような考えが論理的思考です。また、プログラムにエラーが出た時も、どこが間違っているのかを一つひとつ順番に確認していくことで、原因を見つけて修正することができます。これは、勉強や普段の生活でも活かせる考え方です。
論理的思考は、小学生でも練習次第で身につけることができます。プログラミングを通して論理的思考を身につけていきましょう。
3.プログラミングの考え方を理解するにはアルゴリズムの知識も必要
プログラミングの考え方を理解する為に、アルゴリズムについて学ぶことも欠かせません。ここではアルゴリズムがどのようなものか具体的に解説します。
3-1.アルゴリズムとは
プログラミングとは指示をやみくもに記述するのではなく、プログラミング言語でを使ってアルゴリズムを実行できる形ようにするものです。アルゴリズムを端的にいうと課題の解決方法であり、「何を」「どのような順序で」「どう動作させるか」といった内容がまとめられています。特定のアルゴリズムとして組まれた解決の手順と手法やり方が、プログラムとしてコンピューターに伝わり、適切な処理が実行されるという仕組みです。課題が同じだからといって、アルゴリズムも同じになるとは限りません。考える人によって内容は大きく異なり、それによってプログラムの良し悪しも変わります。
簡潔で処理効率の高いアルゴリズムを組むことも、優れたプログラマーに求められる要件の一つです。
3-2.アルゴリズムを動かす3つの要素
アルゴリズムを構成する要素は以下の3つです。1点目は「順次処理」であり、上から下に向かって処理を行っていきます。1つの指示を実行したら次に進むという基本的なものです。2点目は「繰り返し」で、あらかじめ指定した条件を満たすまで処理を反復します。条件とは、増えていく変数が一定の値を上回ることなどです。3点目は「条件分岐」であり、「もし〜なら〜する」といった形で、条件によって異なる処理を実行します。
膨大なコードを含む複雑なプログラムも、上記の3つの要素で構成されるアルゴリズムが基盤となっています。繰り返しの中に条件分岐を入れるなど、巧みに組み合わせて作られているのが一般的です。
4.プログラムをどうやって作る?プログラミングの流れ!
一口にプログラミングといっても、複数のステップに分かれています。ここでは各ステップについて解説するので、プログラムを作る流れについて確認しておきましょう。
4-1.要件定義
最初のステップは、何を作るのか決定する作業です。これは要件定義と呼ばれており、開発の方向性を定めるために行われます。たとえば、「就業管理のシステムを作る」といった企画提案を受けたら、どのような機能が必要かを整理し、使う技術や機材、開発の大まかな流れを決めていきます。
スムーズに開発を進めるためには、予算やスケジュールの調整も重要です。大規模なプログラムであれば人員数を多めに見積もることも欠かせません。とはいえ、希望がすべて通るわけではありません。可能な範囲を見極めるために、あらかじめ組織内の資源を確認しておくこともポイントです。
4-2.外部設計・内部設計
どのようなシステムにするのか具体的に決めていきます。このステップは外部設計と内部設計に分かれており、最初に行うのは前者です。外部設計とは、ユーザーが見たり触ったりできる部分に着目し、それらの仕様を設計する工程です。操作方法や操作画面の仕様など、利便性に直結する事柄が多く含まれます。つまり、要件定義で掲げたイメージを、ユーザーの視点で具体化する作業です。
その後の内部設計では、外部設計の結果を踏まえて、必要な機能を整理し、開発者の視点で詳細を決めていきます。これに基づいてアルゴリズムを組み立てるのもこの段階です。また、プログラムの概要やチーム内での作業の割り振りなども検討しなければなりません。
4-3.コーディング
決定した仕様に基づいてコードを記述していきます。プログラムの知識が詳しくない人の中には、この作業だけをプログラミングとして認識している人も多くいます。また、使用するプログラミング言語は、作ろうとしているシステムによって異なります。いずれの言語にせよ、専用のエディタを用いて、順次実行や繰り返しなどの指示を書くことは共通です。このコーディングと呼ばれる作業をスムーズに進めるには、開発環境をうまく使いこなす必要があります。開発環境はプログラミング言語によって違うため、作業効率を高めるためには、さまざまな言語の仕様を正しく把握しておくこともポイントになります。なお、ライブラリ(よく使われる機能や処理のプログラムをまとめたもの)を利用することで、よりスムーズにプログラムを組むことができます。
4-4.テスト
処理を実行できる段階になったら、テストを行ってシステムがきちんと動くかどうかを確かめます。これは、設計通りに動作しているかを確認する大切な工程です。もしエラーが出た場合は、その原因を調べて修正しなければなりません。原因であるプログラムの誤りをバグといい、それを直す作業はデバッグと呼ばれています。ユーザーは開発者が想定していない操作を行うことも珍しくありません。そのため、あらゆるパターンのテストを行う必要があります。1つの機能だけを確認する「単体テスト」、複数の機能を組み合わせて動かす「統合テスト」など、段階的に進めるのが一般的です。特に大規模なシステムでは、エラーが起きやすくなるため、丁寧なテストが欠かせません。しっかりと確認を重ねることで、安心して使えるシステムが完成します。
5.プログラミングで鍛えられるプログラミング的思考について
プログラミング的思考が養われることは、プログラミングを学ぶ大きなメリットです。ここでは、その思考がどのようなものか紹介し、重要性についても説明します。
5-1.プログラミング的思考とは
プログラミング的思考とは、プログラムを作成する際にその順序やプロセスが効率的かどうかまで考慮し、順序だてて考える思考法のことです。
課題を解決するために必要な要素を整理して、どのような順番でどのような処理を行えば目的が達成できるかを考えていきます。
単純に課題を解決するのではなく、最適な手段で最良の結果を目指すことが特徴です。
論理的思考と共通する事柄が多く、プログラミング的思考はその一つ部と言えます。論理的思考も目的の実現を試みるものであり、その点に関しては同じですが、一方のプログラミング的思考では、目的に向けてすべてのステップをもれなく考え、試行錯誤を繰り返しながらベストな方法を導き出します。このような思考力は、プログラミングだけでなく、日常の問題解決や学習にも大いに役立ちます。
5-2.プログラミング的思考が大切な理由
プログラムを正しく作るためには、目的を達成するための手順を論理的に考える必要があります。つまり、「どうすればこの課題をうまく解決できるか」という道筋を立てる力が求められるのです。このような考え方が、プログラミング的思考です。プログラミング的思考はプログラムを作る場面だけでなく、日常生活や仕事など、さまざまな場面でも役立ちます。たとえば、何か問題が起きたときに原因を分析し、解決するための方法を考えることも、プログラミング的思考の一つです。
情報があふれる現代社会では、必要な情報とそうでない情報を見極めることも大切になってきます。アクセス可能な大量の情報の中には、自分にとって不要なものも含まれています。よって、情報の取捨選択を意識して生きていくことも重要です。プログラミング的思考が身につくと、課題の解決に必要な情報に目が向きやすくなり、自分にとって本当に必要なものを見極める力も養われます。
5-3.プログラミング的思考を伸ばすには
プログラミング的思考を学ぶ際に、必ずしもパソコンを使う必要はありません。たとえば、動作が書かれたカードを並べたり、ワークシートに処理を書き込んだりするだけでもプログラミング体験ができ、課題の解決に向けてどのようにすればよいのかを考える力を身につけることができます。結果を出すことも大切ですが、結果を出すためのプロセスを繰り返して最適な方法を探すことがプログラミング的思考を伸ばすポイントになります。
効果的な取り組みとして、フローチャートの作成があります。これは処理が書かれたブロックを線で結んで実施の流れを示したもので、実際のプログラム開発でもフローチャートを作って手順を明確にしています。普段の計画を立てるときも作成するようにしていると、物事を順序立てて考えることが習慣になるので、プログラミング的思考のトレーニングにもつながります。
6.プログラミングの考え方を鍛えるコツ
プログラミングの考え方を身につけるためには、日々の学習の中で、さまざまな工夫を積み重ねることが大切です。では、どのような工夫を取り入れればよいのか、プログラミングに必要な思考力を伸ばすための具体的な方法を3つ紹介します。
6-1.問題を解決するためのアプローチを習慣づける
プログラミングを学ぶうえで大切なのは、問題にどうアプローチするかを考えることです。課題に向き合うときは、まず取り組み方を整理する習慣をつけましょう。フローチャートを使うなど、処理の流れを図にまとめると、やるべきことが一目でわかり、複雑な問題でも順序立てて考えられるようになります。小さい子どもであれば、手順を一つずつ書き出すだけでも十分です。最初は親子で一緒に考え、慣れてきたら子ども一人で考えられるよう練習していきましょう。また、いきなりコードを書くのではなく、まず日本語で処理の流れを書き出す「疑似コード」の活用もおすすめです。このような工夫を積み重ねることで、自然と論理的に考える力が身についていきます。
6-2.実践と学びを繰り返す
プログラミングの力を伸ばすためには、知識を深めるだけでなく、実際に使ってみることが大切です。まず意識したいのは、手を動かすことです。初心者のうちは、参考になるコードを自分で一から書き写してみるのがおすすめです。手を動かしながらコードの仕組みを体感することで、知識がしっかりと定着していきます。たとえ一度学んだ内容でも、理解が深まるにつれて新たな視点や気づきが得られるので、プログラミングの基礎となるアルゴリズムにも、繰り返し触れていきましょう。
このように、学びと実践をバランスよく続けることで、プログラミングの考え方が自然と身につき、より複雑な課題にも対応できる力が育まれていきます。
6-3.小さな成功体験を積んで挑戦を続ける
プログラミングを楽しみながら続けるためには、小さな成功体験を積み重ねることがとても大切です。いきなり難しい課題に挑戦するのではなく、まずは簡単なプログラムから始めて、自分でできたという実感を得ることを目指しましょう。たとえば、ボタンを押すと文字が表示されるような簡単なプログラムでも、成功体験として十分です。また、エラーやバグが出たときも、落ち込むのではなく、どのようにすれば解決できるか考えることを楽しむ気持ちで取り組むと、自然と力がついてきます。挑戦を続けていくうちに、できることが少しずつ増えていき、自信にもつながっていくでしょう。
7.プログラミングの考え方はどうやって学べる?
プログラミングの考え方を学ぶ手段は、以下に紹介する2つに大きく分けられます。
7-1.独学
プログラミングの考え方を解説している書籍はたくさん出版されています。プログラミングの基礎から学べる参考書も少なくありません。初心者にもわかりやすいものを選べば、無理なく取り組むことができます。また、インターネット上ではプログラミングを学べるサイトも豊富にあります。動画を使って実際の処理を見せるなど、未経験でもイメージしやすいように工夫されています。出費を抑えたいなら、無料のサイトを選んで勉強すると良いでしょう。書籍とサイトのどちらに関しても、本人に合っているものを探す必要があります。最初は試しにいくつかの教材に触れてみて、興味が続くものやわかりやすいと感じるものを選ぶことが、独学を成功させるコツになります。
7-2.プログラミング教室
初心者がスムーズに学べる方法として、プログラミング教室の利用が挙げられます。分からない点があっても、講師に質問できる環境が整っており、正しい知識を着実に身につけられるので、初めて学ぶ子どもも安心して取り組めます。プログラミング教室には通学型とオンライン型があり、それぞれ特徴が異なります。通学型のメリットは講師に直接質問できることです。また、同じ教室に通う子どもたちとの交流もあり、刺激を受けながら学べるメリットもあります。オンライン型のメリットは時間や場所に関する制約がないことです。送迎の時間を節約できるので、忙しいご家庭にもおすすめです。どちらのスタイルもそれぞれの良さがあるので、子どもの性格やご家庭のライフスタイルに合わせて選ぶといいでしょう。
8.子どもがプログラミングの考え方を学ぶにはプログラミング教室がおすすめ!
子どもにプログラミングの考え方を学ばせたいなら、プログラミング教室への通学がおすすめです。楽しく学習できるように配慮されており、無理をせずに取り組めます。カリキュラムが充実しているところも多く、中でもプログラミング教 HALLOでは、論理的思考力や問題解決力を伸ばすための工夫が多く組み込まれているので、自然とスキルアップにつながります。また、オリジナル教材「Playgram」ではゲームで遊ぶような感覚で学習が可能で、「プログラミング的思考」や「プログラミングスキル」だけでなく、「デジタルスキル」も含めて総合的にしっかり学べます。
9.まとめ:プログラミングの考え方を理解して学習しよう!
プログラミングを学ぶにあたり、プログラミングの考え方を理解しておくことはとても大切です。考え方をしっかりと理解することで、効率よく学習が進められ、論理的思考力や問題解決力も自然と身につきます。とはいえ、どのように学ぶのかを検討する際には、子どもが楽しく無理なく取り組める環境を選ぶことが大切です。プログラミング教育 HALLOでは、楽しく続けられるカリキュラムを組んでおり、わかりやすく丁寧に教えています。子ども向けのプログラミング体験授業を用意しているので、ぜひお気軽にご参加ください。