将来性のあるプログラミング言語とは? 子どものうちに学べるか解説!
公開日:2023.2.20

2025年現在、プログラミング言語は派生語も含めて1000種類以上あると言われています。プログラミングスキルの重要性が増すこれからの社会では、お子さまに将来のためにプログラミングを学んでほしいという方もいらっしゃるでしょう。しかし、言語の数が多過ぎて、何を学べばよいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。この記事では、子どものうちから学習できる、将来に向けて習得しておきたい言語をピックアップして解説します。
この記事の目次
1.小学生にとってのプログラミングとは?
プログラミング言語とは、コンピューターを動かすのに必要な指示を出すための言葉のようなものです。ゲームやアプリ、家電製品など、身の回りの多くのものがプログラムされた動きをしています。小学生にとってのプログラミングは、こうした仕組みを理解して自分で考えたアイデアを形にする力を育てることを目的としています。現在、小学校から高校まで授業にプログラミング教育が取り入れられ、将来に役立つ力として注目されています。ここでは、小学校でのプログラミング教育の内容や導入の背景について紹介します。
1-1.小学校でのプログラミング教育が必修化に
2020年度から、小学校でプログラミング教育が必修化されましたが、その指導内容は専門的なプログラミング言語を学ぶわけではなく、算数や理科などの授業の中で、プログラミング的思考を育てることが目的です。順序立てて考える、条件に応じて動きを変えるといった論理的な思考を、楽しく体験できるよう工夫されています。子どもたちは、実際にキャラクターを動かしたり、ロボットを操作したりしながら、自然と仕組みを学んでいきます。今後の社会で求められる思考力を、遊び感覚で身につけられる貴重な時間となっています。
関連リンク:https://www.hallo.jp/column/post-1035/
関連リンク:https://www.hallo.jp/column/post-471/
2.小学生が始めやすいビジュアルプログラミング言語とは?
プログラミングと聞くと、英語や記号が並んだ難しいイメージがあるかもしれません。しかし、ビジュアルプログラミングなら、パズルのように遊びながら学べるため、プログラミングに初めて触れる子どもも楽しみながらプログラミングの理解を深められます。
ビジュアルプログラミングは、難しい文字のコードを書く代わりに、「前に進む」「ジャンプする」といった命令が書かれたカラフルなブロックを、マウスでつなぎ合わせていくことでコンピューターに指示します。ブロックを組み合わせるだけで、ゲームのキャラクターを思い通りに動かすことができます。代表的なツールに、Scratch(スクラッチ)があります。遊び感覚で夢中になっているうちに、自然とプログラミングの基本的な考え方が身につく、プログラミングの第一歩にぴったりの学び方です。
3.小学生におすすめのビジュアルプログラミング言語5選
ここでは、小学生に人気のあるビジュアルプログラミング言語を5つ紹介します。まずは子どもが興味を持てるテーマから始めて、楽しく学習を進めることが成功のポイントです。それぞれに特長は異なりますので、子どもに合ったものを見つけてみてください。
3-1.Scratch(スクラッチ)
Scratchは、世界中で使われている代表的なビジュアルプログラミング言語です。カラフルなブロックを組み合わせるだけで、キャラクターを動かしたり、音を鳴らしたりして、ゲームやアニメーションが作れます。操作が直感的で、小さな子どもでも簡単に使えるのが魅力です。また、自分の作品をインターネット上で公開したり、他の人の作品を見て学んだりできるのもポイントです。日本語にも対応していて、書籍や動画などの学習素材も豊富なので、自宅での学習にもぴったりです。
3-2.Viscuit(ビスケット)
Viscuitは、文字を使わずに絵を描いて動かすというユニークなスタイルのプログラミング言語です。自分で描いたキャラクターや背景に動きをつけることで、アニメーションや簡単なゲームが作れます。直感的に操作できるので、パソコンやタブレットで使えて、公式サイトにはわかりやすいチュートリアルもあるので、パソコンに触れたことのない小さな子どもでもすぐに始められ、楽しみながらプログラミングの考え方が自然に身についていきます。
3-3.Microsoft MakeCode(マイクロソフト メイクコード)
Microsoft MakeCodeは、ブロックを使ったビジュアルプログラミングと、JavaScriptやPythonなどのテキストプログラミングを切り替えて使える学習ツールです。micro:bit(マイクロビット)などのマイコンボードと連携させて、ボタンを押すと光る、音が鳴るといった様々な動作とつながったプログラムを作ることができます。実験やものづくりが好きな子におすすめです。簡単なブロック操作から本格的なコードへのステップアップもでき、プログラミングを深く学びたい子どもにもおすすめです。
3-4.Google Blockly(グーグル ブロックリー)
Blocklyは、Googleが開発したブラウザ上で使えるビジュアルプログラミングツールです。操作はとてもシンプルで、カラフルなブロックをマウスで動かして組み立てるだけなので、初心者でもすぐに使いこなせます。おすすめのポイントは、ブロックで作ったプログラムをJavaScriptやPythonといった本格的なコードに自動で変換できる機能です。これにより、テキスト型のプログラミングへのステップアップがしやすくなります。教材としての使いやすさも高く、学校やプログラミング教室などの教育現場でもよく使われています。
3-5.MOONBlock(ムーンブロック)
MOONBlockは、日本で作られたビジュアルプログラミング言語で、小学生にも使いやすく設計されています。Scratchに似たブロック操作で、キャラクターを動かしたり、音を鳴らしたりといったプログラムを直感的に作ることができます。日本語に完全対応しているので、英語が苦手な子でも安心して取り組めます。インターネットのブラウザ上で動作するため、ソフトをインストールせずにすぐに始められるのも嬉しいポイント。学校でも広く使われており、初めてのプログラミング体験にぴったりのツールです。
4.将来性のあるプログラミング言語を知っておこう
現在普及しているプログラミング言語の中で、今後も一定の需要が見込まれる将来性のある言語を5つピックアップしました。
・Python
シンプルな構文で初心者でも学びやすい。汎用性が高く、AIやIoT分野で活用されています。
・JavaScript
ブラウザ上で動くプログラミング言語で、Web開発では非常に重宝される言語です。
・Go
Googleが開発した言語で、iPhone・Androidアプリの開発に利用されます。
・PHP
Webアプリのサーバーサイド開発で使用される言語で、Webサイト制作によく用いられます。
・Kotlin
シンプルな構文で、Androidアプリ開発での需要が高まることが見込まれています。
以下の項目で、各言語についてより詳細な解説をしていきます。
4-1.Python
Python(パイソン)は、初心者にも分かりやすい書き方が特徴のプログラミング言語です。コードがシンプルなので小学生でも取り組みやすく、遊びながら学べる教材もたくさんあります。AIやゲーム、ロボットの動きなど、身近なものにも使われていて、将来さまざまな仕事で役立つ力が身につきます。学べる内容が幅広く、世界中で使われている言語のひとつなので情報も集めやすく、分からないことも調べやすいのもおすすめのポイントです。人にも向いています。自分のペースで学習を進めやすいのも魅力です。また、ライブラリが多くて汎用性が高く、Webのサーバーサイド開発や業務効率化のソフトウェア開発にも適するため、今後の需要も見込めます。
4-2.JavaScript
JavaScript(ジャバスクリプト)は、ウェブサイトに動きをつけるためのプログラミング言語です。家づくりに例えると、家の骨組みを作るのがHTML、色やデザインを担当するのがCSSだとすると、JavaScriptはボタンを押すと電気がつくといった、便利な仕掛けを作る役割を担います。画像がスライドショーで自動的に切り替わったり、メニューボタンを押すと隠れていた項目が表示されたりするのは、JavaScriptのおかげです。特別なソフトを準備しなくても、普段使っているブラウザだけで動かせるので、初心者でも手軽に始められます。ウェブサイト作りには欠かせない技術で、今後も需要が見込まれます。ライブラリやフレームワークも豊富にあり、基本を覚えれば多彩な機能を簡単に実現できるのも大きな魅力です。
4-3.Go
Go(ゴー)は、2009年にGoogleがリリースしたオープンソースのプログラミング言語です。Golang(ゴーラング)やGo言語とも呼ばれています。もともとGoogle内での開発効率を高めるために作られたため、コードがシンプルで読みやすく、初心者にも取り組みやすいのが特長です。複数の処理を同時に行う並行処理が得意で処理速度も速いため、WebサーバーやWebアプリの開発でよく使われています。また、AndroidやiPhone向けのアプリも作成できるので、非常に汎用性の高い言語です。多くの企業でも採用され、特にクラウドサービスやWebアプリケーション開発で人気があり、将来性も高いと言われています。
4-4.PHP
PHP(ピーエイチピー)はWebサイトのサーバーサイド開発で利用されるスクリプト言語です。同じくWebアプリ開発に使われるJavaScriptはユーザーが見るWebページに影響する言語ですが、PHPはWebサーバー側でデータベースからデータを取り出してブラウザに渡す、という役割を担っています。
PHPは現在Webサイト制作で広く普及しているWordPressの開発言語でもあり、需要が高くWebやシステム開発のエンジニアなどで求人数も多い言語です。さらに、PHPはその人気の高さからWeb上に情報が多く掲載されており、構文もシンプルなため、独学しやすいと言えるでしょう。一方、Webアプリ以外ではほとんど使われないという面はあるものの、Webアプリがなくならない限りPHPの需要は衰えないと予想されています。
4-5.Kotlin
Kotlin(コトリン)は2011年にリリースされた比較的新しい言語で、2017年にGoogleがAndroid開発の公式言語に採用したことで脚光を浴びました。構文や文法がシンプルなことが特徴です。
現在広く普及しているJavaと同じオブジェクト指向言語であるため、Javaとの互換性があります。一方で、コード量はKotlinのほうが短く簡潔な記述で済みます。エンジニアにはJavaの次に学ぶ言語として注目されており、初心者にとっての初めて触れる言語としても向いていると言えるでしょう。今後、KotlinはAndroidアプリの開発を中心に需要が高まっていくと予想されているため、今学習しておいて損はない言語です。
5.学んでおきたいその他のプログラミング言語
前項でご紹介した将来性のあるプログラミング言語以外にも、一定の需要が今後も続くことが期待できる言語はあります。これからご紹介する6つの言語は、お子さまが作りたいソフトウェアやなりたい職業によっては、優先して学んでおきたいものです。
・Java
非常に汎用性が高く、OSを問わずさまざまな分野で利用されています。高い人気を誇りますが、学習難易度はやや高いと言われています。
・Swift
2014年にAppleが発表した言語で、iOS上の開発では必須とされています。
・Ruby
Webアプリのサーバーサイド開発を得意とする言語で、読みやすく勉強しやすい言語です。
・C言語
汎用性が高く、業務用アプリからスマホアプリ開発まで幅広い分野で利用されている言語です。
・TypeScript
JavaScriptの上位互換に位置づけられる言語で、JavaScriptの代替言語として注目を浴びています。
・Rust
C言語の代替言語を目指して開発されている言語で、安全性やパフォーマンスが高いとされています。
以下の項目で、それぞれの言語について詳しく解説していきます。
5-1.Java
Java(ジャバ)は各OSに対応する汎用性の高いプログラミング言語で、システム開発、Web開発、アプリケーション開発といった多くのシーンで採用されています。特に企業が使う大規模システムの開発に向いていると言われています。ちなみに、名前が似ているJavaScriptとはまったく別の言語です。Javaはその汎用性の高さから、現状では需要が最も高い言語のひとつと言えるでしょう。一方で、Javaは専門性が高く、学習が非常に難しい言語だと言われています。
また、すでに多くのエンジニアがJavaを習得しているため、後から参入するとなかなか追いつけないという面もあるでしょう。シンプルで学習難易度が低いKotlinのように、すでにJavaと互換性のある言語も登場しています。そのため、将来も今と同じようにJavaの需要が続くかは未知数です。
5-2.Swift
Swift(スウィフト)はAppleが2014年に発表したプログラミング言語で、iPhoneやiPad、Mac向けのアプリを作るときによく使われます。コードの書き方がすっきりしていて分かりやすく、アプリを作りながらすぐに動きを確認できるので、初心者でも学びやすいのが特長です。
現在、日本でのiPhoneシェアが大きいため、iOSアプリ開発でのSwiftの需要が高まることが予想されます。また、Swiftを扱える人はまだ多くないため、今から始めておくと将来に向けて強みになります。一方で、Apple製品に特化した言語なので、Apple製品が好きな人やアプリを作ってみたい人にはおすすめの言語ですが、他のOS向けのアプリを作りたい場合には別の言語も必要になることもあります。
5-3.Ruby
Ruby(ルビー)は関数型プログラミングと命令型プログラミングの調和を目指したオープンソースのプログラミング言語です。JavaやPythonのようなエラーを処理するための例外処理機構や、OSに依存しないスレッド機構を備えており、開発しやすいという面が特徴的です。その他、Ruby on Railsというフレームワークを利用すると、Webアプリ制作、ECサイト制作、業務用システムなど幅広い分野の開発を効率的に行えます。
また、日本人によって開発された言語のため、日本語のテキストやツールが豊富に揃っています。また、インデント(字下げ)で構造を表すためコードが見やすく、プログラミング初心者にも学びやすいのが特徴です。ただし、現在は世界的にも採用されている例が多いですが、Rubyに特化したエンジニアの求人数が落ちている傾向にあるようです。そのため、将来も変わらず需要があるかどうかは未知数です。
5-4.C言語
C言語は1970年代に誕生した歴史あるプログラミング言語で、今も多くの場面で使われています。コンピューターが理解しやすい形に変換して動かすため、動作が速く、家電やOSなどの開発に向いています。ただし、文法はやや難しく、初心者には少しハードルが高いかもしれません。そのC言語に、より使いやすい機能を加えたのがC++(シープラスプラス)です。オブジェクト指向という考え方を取り入れており、アプリや業務システムの開発にも広く活用されています。一方、C#(シーシャープ)はマイクロソフトが作った言語で、C++やJavaの良い部分を取り入れつつ、比較的学びやすい構造になっています。ゲーム開発ツールUnityでも使われており、アプリやシステム開発にも幅広く対応。需要の高い言語として将来にも役立つスキルです。
5-5.TypeScript
TypeScript(タイプスクリプト)は2012年に発表されたJavaScriptの拡張言語で、2017年にGoogle社内の標準開発言語となったため脚光を浴びています。
JavaScriptは大規模開発がしにくくバグの発生も多い言語ですが、TypeScriptによってそうした問題点が改善されました。そのため、TypeScriptはJavaScriptの上位互換的なプログラミング言語であり、互換性も持っています。
現状では対応できるエンジニアがまだ少ないため、高い需要が見込めます。Googleで採用されたこともあって今後の将来性も明るい言語のため、JavaScriptを習得したらぜひ学んでおきたい言語でしょう。
5-6.Rust
Rust(ラスト)はC言語とC++の代替として開発されたオープンソースのプログラミング言語です。直接ソースコードを機械語にコンパイルするため、処理速度はC言語やC++と同程度の高速さを誇ります。一方、C言語とC++のバグを引き起こしやすい仕様を改善し、並行処理がより簡単かつ安全性も高いのが特徴です。
そのため、Rustは長らく高い需要を誇ってきたC言語とC++の代替言語としてエンジニアの注目度が高い言語です。まだRustを習得している人材は少ないため。今のうちに学習しておくと将来役立つ可能性が高いでしょう。
6.小学生・中学生でも将来性のあるプログラミング言語を学べる?
小学生や中学生でも、将来につながるプログラミング言語を学ぶことは可能です。中でも、PHPやJavaScript、Python、Goなどは初心者にも取り組みやすく、Webサイト制作やアプリ開発など幅広い分野で使われています。今後の成長が見込まれる言語としても注目されていますが、これらはすべてテキストでコードを書くテキストプログラミングに分類されるため、あらかじめタイピングに慣れておくとスムーズに学習を始められます。
また、小学生の場合は、まずビジュアルプログラミング言語からスタートするのもよい方法です。画面上のブロックを組み合わせるようにしてプログラムを作るスタイルなので、直感的に操作できて初めての子どもでも学びやすいのが特長です。
基礎を身につけたあとは、自分がどのようものを作ってみたいかに合わせて、学ぶ言語を選ぶとよいでしょう。将来性を重視したい場合には、その言語がどのような場面で使われているのか、どれくらい需要があるのかを調べてみるのもおすすめです。
7.子どものプログラミング言語の選び方は?
子どもがプログラミングを学ぶ際は、年齢や興味に合わせた言語を選ぶことが大切です。低学年のうちは、直感的に操作できるビジュアルプログラミングから始めると取り組みやすく、プログラミングの基礎的な考え方も自然に身につきます。高学年や中学生になって文字入力に慣れてきたら、PythonやJavaScriptなどのテキストプログラミングに挑戦するのもおすすめです。将来の目標や作ってみたいものに合わせて選ぶことで、学ぶ意欲も高まります。
関連リンク:https://www.hallo.jp/column/post-237/
8.子どものプログラミング教室ならプログラミング教育 HALLO
将来性のあるプログラミング言語は、小学生や中学生でも学習可能です。しかし、一人で学び続けていると、途中でつまずいてしまうことも少なくありません。そんなとき、ぜひ検討していただきたいのがプログラミング教育 HALLOです。個別指導型プログラミング教室で、ラーニングマネジメントシステムにより、自宅での学習状況や理解度がしっかり記録されるため、一人ひとりに合ったカリキュラムで無理なく学習を進められます。また、タイピング力を楽しく身につけられる「Playgram Typing」などの学習アプリも用意されており、基礎からしっかり学べるのはもちろん、楽しみながら続けられる工夫がたくさん。初心者のお子さまでも安心してステップアップできる、プログラミング学習に最適な環境が整っています。
まとめ
これからの時代、プログラミングは将来の選択肢を広げる大切なスキルのひとつです。小学生や中学生でも、ビジュアルプログラミングを通じて楽しく基礎を学び、将来性のある言語へと段階的に取り組むことが可能です。PythonやJavaScriptなどの言語は初心者にも親しみやすく、今後の需要も高いと言われています。子どもの興味や目的に合わせて適切な言語を選び、タイピングなどの基礎力とともに学びを進めていくことが、将来への確かな一歩となるでしょう。