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小学校ではプログラミング言語を習わない?授業の目的や内容を紹介

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小学校ではプログラミング言語を習わない?授業の目的や内容を紹介

公開日:2022/10/25
更新日:2022/10/25

小学校では2020年からプログラミング学習が必修化されています。複雑なプログラミングを子どもに扱えるのか不安に思う親も多いでしょうが、実は小学校の授業ではプログラミング言語は扱いません。では、小学校のプログラミング教育では、具体的にどのようなことを学習していくのでしょうか。今回は、小学校のプログラミング教育の目的や内容に加え、小学生にも扱えるおすすめのビジュアル言語などについて紹介します。

1.小学校ではプログラミング言語を習わない?

小学校のプログラミング学習は、主に「プログラミング的思考」を養うことを目的としています。そのため、専門性の高いプログラミング言語を小学校の授業で習うことは基本的にありません。では、小学校の授業では具体的にどのようなプログラミング学習が行われるのでしょうか。ここでは、以下の2点について解説します。

  • ・小学校におけるプログラミング教育の目的
  • ・プログラミングという授業があるわけではない

1-1.小学校におけるプログラミング教育の目的

文部科学省の資料によれば、小学校でプログラミング教育を行う目的は以下の3点にあります。ひとつは、「プログラミング的思考」を育むことです。プログラミング的思考とは、論理的思考力に似た概念で、要するに筋道を立てて物事を理解でき、最適解に近づくために試行錯誤できる能力のことです。

次に、「プログラムの働きや良さ、情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることなどに気付くことができるようにするとともに、コンピュータ等を上手に活用して身近な問題を解決したり、よりよい社会を築いたりしようとする態度を育むこと」も目的のひとつとされます。IT技術が当たり前の世の中では、その仕組みに関する理解が疎かになりがちです。コンピュータが実際にどう動き、どれほど人々の日常生活に貢献しているか、その仕組みや社会的な意義を教えることもプログラミング教育の大きな目的です。

文部科学省の資料には「各教科等の内容を指導する中で実施する場合には、各教科等での学びをより確実なものとすること」ともあります。これは要するに、プログラミング教育を通じて、他の教科の学習効率を高めることができるといったような意味です。たとえば、算数で正多角形を学習する際に、プログラミングで正多角形を作成することによって、正多角形の性質をより理解しやすくなるといった具合です。

このように、小学校におけるプログラミング教育は、プログラミング言語を習得することを目的としているわけではありません。それよりも、プログラミングの考え方や役割、仕組みなどを身に付けてもらうことに重点が置かれているのです。

1-2.プログラミングという授業があるわけではない

プログラミング学習が必修化されたといっても、国語や算数のように「プログラミング」という科目が創設されたわけではありません。小学校のプログラミング学習は、科目として設けられたものではなく、国語や算数、理科といった従来の科目の中に考え方として取り入れるという形が取られています。特に関連テーマの多い算数や理科で扱われることが多く、正多角形をプログラミングで作成するといった取り組みもそのうちのひとつです。

また、パソコンを使わず、カードやボードゲームを使った授業も多く行われています。もちろん、小学校のプログラミング学習は将来的なIT人材の育成も目的のひとつとしているので、基本的にはパソコンやタブレットといったICT機器を各教科の授業に用いて行うのが通常です。ただ、プログラミング教育の中には、そうしたICT機器を用いない「アンプラクド・プログラミング」と呼ばれる学習方法もあり、そのやり方ではパソコンは使わず、主にカードやおもちゃなどを使ってプログラミング学習を進めます。

いずれにせよ、小学校の段階では「プログラミング」という科目で教えるのではなく、各教科に関連したテーマでプログラミングを学んだり、各教科の内容をプログラミングの考え方の中で深く理解したりといった形が中心です。より本格的なプログラミング学習の機会は、中学校以降に進んでからとなります。

2.小学生がプログラミング言語を学ぶ5つのメリット

小学校では各教科に関連した形でプログラミング教育が実施されるため、プログラミング言語を学ぶ機会は基本的にありません。ただ、IT社会に対応した人材育成のためには、なるべく早いうちからプログラミング言語を学習しておくことは有意義なことです。そこでこの段落では、小学生がプログラミング言語を学ぶメリットを以下の5点に要約して紹介します。

  • ・1.より複雑な仕組みを作れる
  • ・2.自由に創造する楽しさがわかる
  • ・3.ITに強い子どもになる
  • ・4.中学・高校でのプログラミング学習につながる
  • ・5.興味の対象が広がる

2-1.1.より複雑な仕組みを作れる

プログラミング言語を活用すれば、より複雑な仕組みを自分で作ることができます。思い通りに仕組みを自分で作ることによって、プログラミングの楽しさを認識することができ、プログラミングに対する理解も深まりやすくなります。もちろん、小学生にプログラミングコードを書かせることは難しく、難易度の高いプログラミング言語を無理に学ばせようとすれば、かえって子どもの意欲を削いでしまうかもしれません。

そこでおすすめなのが、視覚的に操作できるビジュアルプログラミング言語です。ビジュアル言語は目で見て理解しやすいプログラミング言語で、遊ぶような要領で始められるため、小学校低学年からでも無理なく始めることができるプログラミング言語だといえます。

2-2.2.自由に創造する楽しさがわかる

プログラミング言語を使いこなせるようになれば、自分の考えやアイデアを形にすることもできるようになります。アニメーションやゲームなどを実際に作ることもできるでしょう。自由な発想で創造する楽しさを覚えれば、子どもの創作意欲が刺激されてどんどんプログラミングの楽しさにのめり込むようになります。

2-3.3.ITに強い子どもになる

プログラミング言語を扱う場合、パソコンやタブレットなどのICT機器に触れる機会も増えることになります。IT化が進む現代社会において、そうしたICT機器に精通しておくことは将来を生き抜くうえでも大切なことです。将来的にプログラマーになるつもりがなくても、IT機器の使い方やシステムの構造を知っておけば、人生や仕事の選択肢の幅も大きく広がります。特に現代の仕事は、あらゆる場面にプログラミングが活用されています。そのため、プログラミングの知識は、IT業界はもちろん、それ以外の業界でも必要不可欠な知識なのです。

2-4.4.中学・高校でのプログラミング学習につながる

プログラミング教育は、小学校だけではなく中学校や高校でも既に必修化されています。小学校の段階では、プログラミングはあくまで他教科を学習する一環として教えられるに過ぎませんが、中学校や高校ではプログラミング言語を使ったより本格的な学習が始まります。そのため、小学校からプログラミング言語に触れておくことは、中学や高校にあがった際の準備として非常に有用です。小学校のうちからプログラミング言語の予備知識を備えておければ、よりスムーズに高度な教育に移行することができるでしょう。

また、2025年には大学入学共通テストに「情報」が追加予定であり、プログラミング言語を扱えれば入試においても有利に働くことになります。入試問題がどのような内容になるのかはまだわかっていませんが、複数のプログラミング言語を用いた難易度の高い内容になることも予想されます。そのため、将来的に子どもの大学進学を考えているなら、早いうちからプログラミング言語に慣れさせておき、より高度な知識の下地を作っておく意義は大きいといえるでしょう。

2-5.5.興味の対象が広がる

小学校の授業では主にプログラミングの「考え方」を教えます。それに加えて、実際に言語を使ってプログラミングを実践することによって、プログラミングに対するより深い学びを得ることができます。プログラミング自体をもっと深く知りたいと感じたり、自分のアイデアをプログラミングで表現したいと思ったりすることによって、子どもにとっての興味の対象が広がることも言語を学習するメリットのひとつです。また、普段何気なく使っているモノの仕組みに興味を持つ機会も増えるでしょう。

3.小学生にはビジュアルプログラミング言語がおすすめ!

プログラミング言語には、コードによって記述するテキスト言語と、視覚的にブロックを組み合わせるビジュアル言語があります。テキスト言語は、世の中にあるさまざまなシステムやWebサイト、アプリなどの構築に使われているプログラミング言語です。ただ、テキスト言語は英語や記号などのテキストを用いたプログラムであるため、言語学習の途上にある小学生が理解するには少しハードルが高いといえます。

一方、ビジュアル言語はプログラムの要素をビジュアル化し、視覚的にわかりやすく取り組めるように作られたプログラミング言語です。テキストを入力することはほとんどなく、簡単なマウス操作でカードやブロックなどを配置するだけでプログラミングすることができます。視覚的に操作することが可能であるため、小学校低学年からでも気軽に始めることが可能です。小学生からプログラミング言語を学習するなら、ビジュアルプログラミング言語がおすすめです。

4.小学生におすすめのビジュアルプログラミング言語7選

ビジュアルプログラミング言語は、視覚的にわかりやすく、遊び感覚で始めることができるプログラミング言語です。ただ、ビジュアルプログラミング言語にも、初心者向けから上級者向けまで多様な種類があります。そこで、ここでは小学生でも理解しやすいおすすめのビジュアルプログラミング言語7選を紹介します。

  • ・1.Viscuit
  • ・2.Scratch
  • ・3.Springin'
  • ・4.Mesh
  • ・5.Blockly
  • ・6.MakeCode
  • ・7.MOONBlock

4-1.1.Viscuit

Viscuit(ビスケット)は日本から初めてリリースされたビジュアルプログラミング言語です。小学校のプログラミング教育にも活用されており、スマホやタブレット、パソコンから無料で使うことができます。Viscuitでは、「メガネ」という仕組みを使って描いた絵を自由に動かし、アニメーションやゲーム、絵本などを簡単に作ることができます。文字を入力する必要がないので、プログラミング言語を体験したい子どもにとっては最適なビジュアル言語だといえるでしょう。

4-2.2.Scratch

Scratch(スクラッチ)は、Viscuitと並ぶ小学生向けの人気ビジュアル言語のひとつです。アメリカのマサチューセッツ工科大学で開発されたプログラミング言語で、主に8~16歳の子どもを対象にデザインされています。非常に簡単な仕組みで作られており、子ども向けのプログラミング言語といえば「Scratch」といわれるほどよく知られているプログラミング言語です。

Scratchは、「命令ブロック」と呼ばれるカラフルなブロックを操作して組み合わせることで感覚的にアニメーションやゲームを作ることができます。ソフトウェアは無料で使うことができ、インストールなどのセットアップも必要ありません。

4-3.3.Springin'

Springin'(スプリンギン)も文字を使わないビジュアルプログラミング言語のひとつです。Viscuitと同じように、自分で描いた絵を動かせる点に特徴があります。ただ、Springin’には他の初心者向けビジュアル言語にはない機能があります。それが、アプリ内で使えるコインを用いた遊び方です。Springin’では、絵や写真にボタンで条件を付けていくことで、ゲームや絵本などの作品を作ることもできます。そうして構築した作品は、コインを使って売買することができ、プログラミング言語だけではなくマーケティングまで学べる点にSpringin’の特徴があります。

また、マーケットと呼ばれる場所に作品をアップすれば、自分が作った作品を他人に遊んでもらうこともできます。このように、作品の販売や発表を通じて、プログラミング学習のモチベーションを維持しやすいという点にSpringin’の大きな特徴があるといえるでしょう。アプリは完全無料で利用でき、広告も表示されないので、快適にプログラミング言語学習ができる点も見逃せないポイントです。

4-4.4.Mesh

Mesh(メッシュ)はソニーが開発したビジュアルプログラミング言語です。Meshを利用するためには、まず無線電子ブロックを購入する必要があります。この無線電子ブロックは、Bluetoothでスマートフォンアプリと連動できるようになっています。ブロックを身近なデバイスやWebサービスと連携させることによって、たとえば人が通ったらランプが灯るようにできたり、モーターとつないで車を動かすことができたりするのがMeshの特徴です。

利用に際してブロックの購入こそ必要ですが、実物と連動させて実際にプログラミングが反映される様子を確認できるので、プログラミング学習の面白さをより身近なものとして味わうことができます。

4-5.5.Blockly

Blockly(ブロックリ―)はGoogleが開発したビジュアルプログラミング言語です。2022年7月現在では日本語に対応していませんが、派生アプリケーションのBlockly Games(ブロックリー・ゲーム)は日本語で楽しむことができます。Blockly GamesはWebブラウザからアクセスでき、パズルのような感覚でプログラミングに慣れることができる仕様となっています。ゲームを遊ぶように手軽にプログラミングが学べるので、小学生でも難しいことを考えず取り組むことができるでしょう。

4-6.6.MakeCode

MakeCode(メイクコード)はマイクロソフトによるオープンソースのビジュアルプログラミング言語です。ブロックを使った視覚的なプログラミングが学べる一方、JavaScriptのプログラムに切り替えることもできるので、より高度なテキスト言語への移行にも活用できるプログラミング言語だといえます。まずはブロックを使ったビジュアル言語を学びながら、中学校や高校ではテキスト言語を学びたいといった場合にはテキスト言語に切り替えて学習するなど、多様な使い方が可能です。

4-7.7.MOONBlock

MOONBlock(ムーンブロック)は日本発のビジュアルプログラミング言語です。主にゲームを作ることを前提に開発されており、他のビジュアルプログラミング言語よりゲームやアプリを作りやすい点に特徴があります。もちろん、ブロックを視覚的に動かすだけでプログラミングできるので、簡単に操作が可能な点も見逃せません。また、MakeCodeと同じように、ビジュアル言語でありながらJavaScriptのコードも確認できるので、ビジュアル言語からテキスト言語へのスムーズな移行にも活用できるでしょう。

小学生もプログラミング言語を学んでみよう

小学校ではプログラミング言語をほとんど学習しません。しかし、小学生からプログラミング言語に触れておく意義は大きいといえます。「プログラミング教育 HALLO」では、個別学習塾で実績のある「やる気スイッチグループ」のメソッドを取り入れた個別最適レッスンを提供しており、楽しくレベルアップが可能です。採用している教材「Playgram」なら小学生でもテキスト言語を操れます。無料体験が可能なため、まずは気軽に始めてみましょう。

執筆者:プログラミング教育HALLOコラム編集部

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