プログラミングの必要性とは? 学ぶメリットや身につくスキルを徹底解説
更新日:2025.5.21
公開日:2023.3.24

プログラミングという言葉をよく聞くようになりましたが、内容をどの程度ご存じでしょうか。子どもの授業参観などで、学校でのプログラミング学習を知っている方も多いでしょう。2012年に中学校において「プログラムによる計測・制御」が必修化され、2020年からは小学校でもプログラミング教育が必修化しました。この記事では、プログラミング学習がなぜ必要なのか、また、学ぶメリットや身につくスキルについても説明します。
この記事の目次
1.プログラミングの必要性とは?
コンピューターやAI(人工知能)などに欠かせないプログラミングは、今や社会に広く浸透しています。国もデジタル化を推進しており、プログラミングスキルの重要性はますます高まっています。ではなぜ今、プログラミングが必要とされているのでしょうか。その理由を紹介します。
1-1.テクノロジーが急速に進化している
現代は、AIやIoT(モノのインターネット)、ロボット技術などの進化によって、暮らしや働き方が、以前と大きく変わってきています。スマートフォンや家電、自動運転車、さらには医療や教育の分野でも、さまざまなテクノロジーが活用されています。これらの進化の根幹にあるのが、プログラミングです。テクノロジーの進化とともに、プログラミングの重要性も急速に高まっています。今後は、社会のあらゆる場面でプログラミングスキルが必要とされるようになってきます。未来を生きる子どもたちが社会で活躍するためには、こうした変化に柔軟に対応し、テクノロジーを使いこなせる力を身につけることが欠かせません。十分な力を身につけるには、早いうちからプログラミングに親しむことが大切です。
1-2.IT人材不足で需要が大きい
プログラミングスキルは、私たちの生活のさまざまなシーンで使われ、現代を生きる上で必要不可欠なスキルです。今後もその重要性はさらに増していくと見込まれています。経済産業省が所管する独立行政法人情報処理推進機構が刊行の「IT人材白書2020」によれば、ユーザー企業の89%は、すでにITの人材不足を実感しているとのことでした。
また、同省が公表した「IT人材育成の状況等について」においても、IT人材不足は今後もさらに深刻化し、2030年には40~80万人規模で不足する可能性があるという試算結果が出ています。日本だけではなく欧米でもプログラマーやエンジニア不足が深刻化しており、その対策として各国はプログラミング教育に力を入れています。
1-3.DX推進や働き方改革が進んでいる
近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)が加速し、さまざまな業界で業務のデジタル化が進められています。AIやクラウド、IoTといった先端技術がビジネスに取り入れられ、業務の効率化やサービスの質向上が求められるようになりました。こうした時代の流れの中で、デジタル技術を自在に使いこなすためのプログラミングスキルが、ますます重要視されています。さらに、働き方改革の推進により、テレワークやフレックスタイム制度など柔軟な働き方も一般化してきました。これに伴い、自ら業務フローを改善したり、必要なツールを自分で構築できる人材へのニーズも高まっています。
今後もデジタル化の波は広がり続けるでしょう。変化の激しい社会で活躍するためには、プログラミングスキルを身につけることが、自分の可能性を大きく広げる鍵となります。
2.子どもや学生がプログラミングを学ぶ必要性は?
なぜ、子どもや学生のうちからプログラミングを学ばなければならないのでしょうか。ここでは子どもや学生がプログラミングを学ぶ必要性について、3つ説明します。
2-1.プログラミング教育が必修化されている
プログラミングを学ぶことが必要な理由の1つに、冒頭でも触れ2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されたことがあげられます。内閣官房日本経済再生総合事務局は2016年6月に「日本再興戦略2016」を公表しました。その中では、IoTやビッグデータ、AIなどの活用による第4次産業革命に対応するため、2020年から初等中等教育でのプログラミング教育の必修化が打ち出されていました。今後、いっそうIT人材不足が予想されることから、急いでこれに対応できる人材を育成しようとする国の方針が小学校での必修化の背景となっているのです。 学校での授業とは別に子ども自身でもプログラミングを学ぶ習慣がついていると、学校の授業もよく理解できるようになります。 |
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2-2.エンジニア不足がより深刻になる
9割を超す職業において、基本的なITスキルが必要になるといわれています。一方で、少子化や離職率の多さからエンジニア不足が深刻化しています。エンジニア不足は今後ますます深刻化し、2030年には40~80万人規模で不足する可能性があります。スキルを身につけることで、こうした状況に的確に対応できるようになるのです。また、プログラミングスキルをきちんと習得することは、先行き不透明な雇用環境で生き残るための大きな保険にもなります。
2-3.今後のキャリアの選択肢が広がる
プログラミングスキルはさまざまな職種や用途で必要とされています。スキルを学ぶことで将来のキャリアの選択肢が飛躍的に広がることでしょう。先行きの雇用が不透明な状況にある中で、専門的なスキルであるプログラミングは企業からのニーズも高く、就職活動や転職活動でも非常に有利に働くアピールポイントとなります。また、日本だけでなく世界中で必要とされているスキルであることや働く場所の制約が少ないことから希望に応じて海外で仕事をすることも十分可能です。
3.プログラミングを学習するメリット10選
プログラミングを学び、身につけることによって、さまざまなメリットが得られます。ここでは、具体的にどういうメリットが得られるのか、プログラミングを学ぶべき理由を掘り下げて10個紹介します。
3-1.年収アップが期待できる
プログラミングスキルは多くの業界で求められ、ますます重要な能力となっています。特に、AIやアプリケーションの開発、Webサービスなどの分野では、高い技術を持つエンジニアの需要が急増しています。そのため、プログラミングスキルは年収アップにも直結する可能性があります。特にAIやデータ分析の分野で活用される「Python」やiOSアプリ開発に活用される「Swift」、サーバーサイド向けの「Scala」など、企業からのニーズが高い言語を身につけることで、さらなるアップが見込めます。
さらに、プログラミングスキルを活かす場面は、就職や転職のだけに限りません。アイデアを形にしたサービスの開発や業務フローを自分で作成して効率化を図るなど、働き方やキャリアの選択肢を大きく広げることができ、スキルアップを積み重ねていくことで理想の働き方や収入を実現するための第一歩となります。
3-2.アプリやサイトを作れる
プログラミングスキルを身につければ、Webサイトやスマホアプリを作ることも可能です。プログラミングは独学でも習得ができ、無料の学習サイトを活用することで、コスト負担も軽くなります。また、スキルを活用してゲームを作ったりロボットを作ったりするなど、新しい趣味としても楽しめるでしょう。
3-3.副業にしてプラスアルファの収入を得られる
プログラミングは、副業としても最適です。Webを介して仕事の発注者(クライアント)と、仕事の受注者(ワーカー)をつなぐクラウドソーシングサイトでは、プログラミングに関する仕事の募集が多数あります。個人で使う簡単なサイト制作なども多く、コンピューターと、ネット環境や電源などがあればどこでも働けるため、場所に縛られることもありません。また、納期に余裕がある案件も多く、自分のペースで作業できて時間の自由が利くのも大きな魅力です。企業からのニーズは根強く、高い単価の案件も多いため、本業の収入を上回ることも十分に期待できます。
3-4.起業や独立が可能になる
プログラミングスキルは起業や独立にも役立ちます。これまで見てきたように、IT人材に対するニーズは、今後日本だけでなく世界においても、ますます高まっていく見通しです。スキルを持っていれば1人でも仕事ができ、高収入も期待できるので、勤めている会社から独立し、て起業しやすい環境が整うことでしょう。まずは、副業からスタートして仕事募集の案件数や内容などを見て、実際にどのくらいの収入が得られるのかを確認してみることをおすすめします。その上で、起業しても十分に生活できる見通しがついてから、独立に踏み出すのもひとつの選択肢です。
3-5.仕事を効率化できる
プログラミングスキルを活用することで、これまで繰り返してきた単調な作業を自動化し、省力化を図れます。また、多くの時間や人手を要する面倒な作業などもプログラミングで自動化すれば、大きなコスト削減につながります。さらに、空いた時間や人員を別の作業に割り当てると、全体の生産性も高められるでしょう。このように、日々の業務にプログラミングを取り入れることで、効率的な働き方が実現できるのです。
3-6.AIに仕事を奪われる心配がない
プログラミングスキルは、AIによる代替が難しい職種だといわれています。株式会社野村総合研究所は英オックスフォード大学との共同研究において、国内601種の職業についてAIなどに代替される確率を試算しています。その結果が2015年12月2日のニュースリリースで発表されました。それは、「10~20年後、に日本の労働人口の約49%が就いている職業は代替可能だという推計結果が出た」という衝撃的な内容でした。このニュースを聞いて、子どもの将来を心配された方も多いでしょう。たとえば、レジ打ち、事務員、電話オペレーターなどは代替可能性が高い職種としてあげられています。一方で、プログラミングスキルは、AIやロボットを製造する側の技術なので代替が難しいと考えられます。
3-7.デジタル社会に適応できる
プログラミング学習は、デジタル社会を生き抜くための土台を築き、柔軟に変化する社会での力を育むものです。ネットショッピングやキャッシュレス決済、オンライン行政サービスなど、あらゆる場面で利用されています。プログラミングを学ぶことで物事の仕組みを理解し、テクノロジーの進化に柔軟に対応できる力が育まれます。
さらに、プログラミング的思考を身につけることで、複雑な問題に対しても論理的な考えを持って対処できるようになります。このスキルは学校の授業や仕事で役立つだけでなく、日常生活で新しい技術を活用する力もついていきます。特に、子どものうちからプログラミングに親しむことで、将来の仕事や生活の中で進化し続けるテクノロジーにスムーズに適応できるようになります。
3-8.論理的思考力をはじめとするさまざまなスキルが身につく
プログラミングを学ぶことは、子どもの将来にとって、様々な力を育む貴重な機会となります。問題を解決するために、課題にどのようにアプローチすれば良いのか、エラーの原因はどこにあるのかを考える論理的思考力と問題解決力が、自然と身についていきます。
また、プログラミングの過程では、試行錯誤を繰り返しながら目標を達成するため、粘り強く取り組む力が養われます。失敗を恐れず、むしろ学びの一部として前向きに捉える姿勢が育まれる点も、メリットの一つです。自分で作り上げたものが実際に動作する喜びは大きく、子どもが主体的に学び続けるための強い動機付けとなります。
さらに、一つのプログラムを完成させるために、グループでの活動が必要となる場合もあります。その経験を通して、コミュニケーション能力や協調性も自然と育まれていきます。
プログラミングを通じて育まれるこれらの能力は、将来の学習の基盤となり、子どもの成長の支えとなっていきます。
3-9.キャリアの選択肢が広がる
プログラミングを学ぶことは、将来の職業選択において大きな強みとなるスキルです。
ITやクリエイティブ業界はもちろんのこと、医療・教育・商業など、あらゆる分野でテクノロジーの活用が進んでおり、プログラミングスキルを持つ人材へのニーズは今後も高まっていくと予想されます。
プログラミングができるようになることで、「好きなこと」や「得意なこと」を軸に、自分に合った進路を描きやすくなります。それが、将来の仕事や働き方の選択肢を広げてくれるのです。また、起業やフリーランスといった自由な働き方も視野に入れやすくなります。
さらに、テクノロジーの進化によって、今はまだ存在しない新たな職業が生まれる可能性もあります。そうした未来に備えて、子どものうちからプログラミングに親しんでおくことは、自分らしいキャリアを築くための確かな一歩になるでしょう。
3-10.いつでも、どこでも学習できる
プログラミング学習の大きなメリットは、パソコンやタブレットがあれば、時間や場所を選ばずに取り組める点です。通学型の習い事とは異なり、オンライン教材や書籍を使った学習なら、自宅で好きな時間に進められるため、移動時間を気にせず空いた時間を有効活用できます。
特にオンライン教材や学習アプリには、映像やアニメーションを使って、直感的に理解できるよう工夫されたものが多数あります。ゲーム感覚で楽しみながら学べるものも多く、子どもが飽きずに学習を継続しやすい設計になっています。さらに、自分のペースで繰り返し取り組めるため、理解が不十分な部分をじっくり復習することも可能です。
また、保護者の方のスケジュールに合わせて学習時間を調整できる点も大きな魅力です。家庭学習として無理なく取り入れやすく、学んだ内容をすぐに実践できる環境を整えることで、子どもの理解が深まり、学習への意欲やモチベーションの維持にもつながります。
4.プログラミング学習を通して身につく知識やスキル
プログラミング学習を通して身につく知識やスキルを3つ紹介しましょう。これらの知識やスキルは、プログラミングだけに必要とされるものではなく、社会一般で広く役に立つ能力でもあります。これらの能力も習得しておけば、必ず大きな武器になること請け合いです。
4-1.論理的思考力
論理的思考力とは、複雑なものの論点を整理し、筋道を立てて考える力です。コンピューターなどはプログラム通りにしか動きません。このため、常になぜなのかを考える習慣が身につき、知らないうちに論理的思考力が自分のものになるのです。論理的思考力は、社会人にとっても基本的なスキルとして非常に重要なものです。身につけることで、物事の全体像や要点の把握、相手への的確な伝達ができるようになります。
4-2.問題解決力
プログラミング学習で身につく能力として、問題解決力もあげられます。問題解決には問題が発生したときに、何が原因なのかを見極め、対応策を考えて解決に導くことが求められます。プログラムが正常に動かないこともあり、その場合は根気よく一つひとつ試行錯誤を積み重ねながら、原因を突き止めて修正する必要が出てくるのです。問題解決力が身につけば、何かを失敗した場合でも、冷静かつ速やかに対処できるようになります。 | ![]() |
4-3.コンピューターの仕組みに関する知識や理解
IoTやAI技術を搭載した電化製品などのIT製品、アプリやWebサービスがどういう命令で動いているのかを、プログラミング学習を通して知ることができます。こうしたコンピューターの仕組みに関する理解が深まることで、サービスへの応用や新たなサービスの創出が期待できるかもしれません。
5.子どものプログラミング教育は学校で学べば十分?
子どものプログラミング教育は、学校教育だけで十分だと考えている方もいるかもしれません。しかし、社会において求められるプログラミングスキルのレベルを考慮すると学校のプログラミング教育の内容だけでは決して十分だとは言えないという意見もあります。ぜひ、次の2点も知っておいてください。
5-1.学校のプログラム教育には課題もある
必修化されたプログラミング学習ですが、課題も多いのが現状です。小学校でプログラミングは学校で単独の教科として体系的に教えられているわけではなく、算数、音楽、社会などの中の一部として学びます。たとえば、算数であれば、プログラムを使って正多角形を描く、音楽ならプログラムによるリズムパターンを組み合わせて音楽を作ることができます。また、プログラミング教育を行う教員不足も深刻です。文部科学省の通知文「高等学校情報科担当教員の専門性向上及び採用・配置の促進について」では、情報担当の教員5072人のうち、免許未取得者が1210人と約24%にのぼります。
さらに、パソコンやタブレットの準備や管理方法などの方針によって、学校ごとの導入時期に差が出ることもあります。導入した後は情報セキュリティ面でデータ管理の在り方などリスク防止対策を徹底する必要があり、職員の負担が増大しているのです。
5-2.十分なスキルを身につけるならスクールに通おう!
子どもの将来を考えて、しっかりしたプログラミングスキルを身につけさせたいと考えているのであれば、学校以外でもプログラミングを学ぶのがおすすめです。
民間のサービスを利用すれば、講師のサポートにより、カリキュラムに沿って体系的、効率的にプログラミングを学べ、しっかりした知識が身につきます。また、教室に通う友達同士で情報交換なども行え、楽しくスキルアップを図れるのです。「プログラミング教育 HALLO」では、楽しい学習サイクルと個別レッスン、さらに、一人ひとりのレベルや学習ペースに合わせたきめ細かい指導で、スキルがどんどん身につきます。
6.子どものプログラミング教室ならプログラミング教育 HALLO
プログラミングの重要性がますます高まる現代において、子どもが無理なく楽しく学べる場として注目されているのが「プログラミング教室」です。
プログラミング教育 HALLOでは、ゲーム感覚でプログラミングの考え方やスキルを習得できる独自のカリキュラムを用意しています。楽しみながら学ぶうちに、自然と論理的思考力や問題解決力が身につくよう設計されているため、プログラミング初心者の子どもでも安心して学び始めることができます。
さらに、HALLOでは一人ひとりの理解度や習熟度に合わせた「個別最適化された学習プラン」を導入。無理なくステップアップできるので、自分の成長を実感しながら学習を進められます。この仕組みにより、自発的な学習習慣が身につきやすくなるのも大きな魅力です。
また、コーチによる丁寧なサポート体制も整っており、初めてプログラミングに触れる子どもでも安心して継続できます。保護者の方も、お子さまの学びをしっかり見守ることができる環境です。
プログラミング教育 HALLOでは、入会前に無料体験を実施しています。「どんなスクールが子どもに合っているか分からない」「実際の雰囲気を見てみたい」という方は、ぜひ無料体験にご参加ください。お子さまに合った学びの場を見つけるきっかけになるはずです。
7.まとめ:プログラミングの必要性は高い! 今こそ学習スタートのチャンス
先行きの見えにくい時代において、プログラミングは子どもの将来に役立つ重要なスキルです。テクノロジー社会への対応力や、論理的思考力・問題解決力を育てる手段としても注目されています。IT人材の不足が進む中、プログラミングスキルは進路や年収面でも強い武器に。早いうちからの学習が、子どもの可能性を広げる第一歩になります。
執筆者:プログラミング教育HALLOコラム編集部